電気自動車は高速料金が無料になる!
という前評判の元で始まった、電気自動車等 高速道路利用実態調査プロジェクト
電気自動車等の「等」に、アウトランダーPHEVも含まれていたこともあり、我が家も調査に参加しておりました。
蓋を開けてみたら、ドタバタ運営のトンデモプロジェクトだったわけですが、調査期間が終了したようで、調査協力金が無事に振り込まれました。
そもそもどんな調査だったのか?
経済産業省 製造産業局 自動車課の企画である「次世代自動車インフラ整備のための高速道路利用実態調査事業」が母体の事業になります。
予算規模は8億円。
高速道路利用実態調査事業の概要のページに、事業の目的が書かれています。
電気自動車等の高速道路等の利用実態を調査、分析、公表することで、今後の充電インフラ整備等に活用します。その際、利用状況に応じた調査協力費を電気自動車等のユーザーに支給し、高速道路等を利用する電気自動車等を短期的に増加させることにより、高速道路等上の「具体的な充電器ニーズ」に関するデータを詳細に調査いたします 。
電気自動車等が高速道路を走行するうえでの充電器の設置ニーズを調査する・・・といった感じでしょうか。
調査期間
調査のスケジュールは
平成27年5月1日:調査開始
平成28年2月29日:調査終了
平成27年5月1日~平成28年2月29日が調査期間となり、さらに前期・中期・後期に分かれています。
調査協力費
この調査の特徴として、調査に協力すると「調査協力金」なるものが支給されます。
調査協力費の計算方法(前期:平成27年5~8月)
一料金区間あたり1,000円(通常料金)を超える利用に対して、1,000円超過分
この調査協力金の算定方法が面白いのは、実際の高速料金ではなく、通常料金に対しての補助になります。
例えば、東名東京IC→名神西宮ICまで通常料金は11,200円になります。
このため、調査協力金は11,200円-1,000円=10,200円となります。
しかし、土日祝日のETC休日割引を使うと、この区間は8,570円で走破でき、調査協力金との差額1,630円分が得するという摩訶不思議な制度でした。
もっとも、「調査」に「協力」した「報酬(金)」と考えれば、自己負担額よりも大きなリターンを悪と決めつけることもできないのでしょうが、個人的にはなんだかな~といった感想を持ちました。
調査協力費の計算方法(中期:平成27年9月)
この期間の計算はややこしいのですが・・・
一料金区間あたり1,000円(通常料金)を超え2,000円(通常料金)までの利用に対して、1,000円超過分、
2,000円(通常料金)を超過する場合は通行料金額(通常料金)の半額
という計算となります。
当初の予定では、中期は平成27年9月~12月でしたが、前期の調査で予算が逼迫したらしく、9月末で調査協力金の支払いが打ち切りとなりました。
調査協力費の計算方法(後期:平成27年10月~平成28年2月)
調査協力費は発生しません。
何がトンデモプロジェクトだったのか?
受付開始時のドタバタ
当初は、平成27年4月27日13時から受け付け開始の予定。
予定の13時を過ぎても受付が始まらず、いつの間にか18時受付開始に変更。
ようやく受付が始まったのは18時を結構まわってから。
いざ受付が始まってもサイトダウンの連発・・・
最後の記事にもありますが、何とか登録完了するまで3時間半。
で受付番号が千数百番。
受付処理そのものは入力チェックなどのロジックが全くないサイト。
単純に、たった1,000人程度のアクセスを受け入れることもできない非力なサーバーというのは何というかね・・・
登録サイトの入力方法が後出しジャンケン
ユーザービリティを考えるなら、登録ページに記入例などを併記しますが、この事業は一味違います。
「よくある質問(FAQ)」を随時更新するという荒行でした。
慌てる○○はなんとやら・・・の格言通り、数日待って情報が整理されてから登録するのが正解だと学びました。
そんな私も、当日の無断延期と、夜サイトに全くつながらず諦めました。
運よく出張が入り、すっかり忘れて帰宅した後、さっくりと登録完了しました。
いつになっても変わらないマイページ
事前の案内では、登録状況や走行状況などをマイページで確認できることになっていましたが・・・
マイページで確認できるようになったのはお盆明け(笑)
ただし確認できるのは、自分がちゃんと登録されていることと、5月の走行分だけ。
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このころになると、いい加減この調査の状況を追うのに辟易とし、気にしないことにしました。
そして訪れる調査終了*1
マイページによって、安心したのもつかの間、1か月も経たない9月11日。
予算超過で9月末まで~という案内(笑)
9月末時点の登録台数が22,697台。
全台が月間上限20,000円を受け取るとすると、月4億5千万ちょっと。
実際には、申し込みのドタバタで登録台数はユニークな数ではない*2ことや、1人当たり毎月上限額いっぱいまで走行していないであろうことから、このダメダメシステムに投入した費用が巨額だったことを伺わせます。
さらに混乱させるアンケートメール
9月走行分で調査協力金も終了か~と思ったのもつかの間、1通のメールが送られてきました。
差出人
暗号★亜紅馳蛙占雷肥★号暗 暗号★亜圜哩禎失倅帽★号暗件名
「高速道路利用実態調査」(アンケート調査)ご協力のお願い本文
高速道路利用実態調査プロジェクト 調査協力者の皆様へ拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
「高速道路利用実態調査事業の概要」のなかで、ご案内をさせて頂いています、電気自動車等の高速道路等利用実態を把握するためのアンケート調査を実施いたします。
後述の「ご回答頂くに当たっての留意事項」をよくご覧いただき、回答頂きますよう宜しくお願い申し上げます。
また、調査協力費支給に係る重要な内容を以下にお知らせしますので、ご覧頂きますようお願い申し上げます。敬具
ここまでくると、調査協力者も慣れたもので、しばらく様子を見て運営の発表を待つことを学んでますね。
私も、下の引用の方と同様、スパムかフィッシングか?と思い、速攻削除した1人です(^▽^;
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何はともあれ、調査終了
平成27年10月からなので約半年・・・。
もうすっかり忘れていた今日この頃
調査は終了したようです。
そして、無事に調査協力金も振り込まれました。
ありがたいことに、キャンピングトレーラー牽引時の高速走行についても調査協力金の対象となっていました。
事前のFAQでは、アウトランダーPHEVは普通車区分とありましたので、牽引時はNGかな?と思っていました*3が、結果的に普通車の通常料金で精算されました。
あとは、調査結果が公開されるのを待つばかりですが、どんな報告書が出来上がるのか楽しみです。