キャンプで調理する際のバーナーの熱源には、CB缶やOD缶といった「ガス」や、ホワイトガソリンや灯油、アルコールなどの液体燃料(液燃)、炭火や薪といったものがありますが、なんといっても楽なのは「ガス」です。
一方でガスは、寒冷地や長時間の使用で火力が落ちるという問題に悩まされることもしばしばあります。
そこで今回はカセットガス(CB缶)の火力低下を防ぐ方法をご紹介します。
カセットガス(CB缶)の火力が低下する理由
カセットガスには、主にブタンガスが充填されています。
ブタンガスは比較的高温で気化する性質があるため、カセットガス(CB缶)やキャンプ用のガス缶(OD缶)、ライターのガスとして広く一般的に用いられています。
沸点は約±0度で、燃焼温度は約1,970度と高い発熱量が得られることと、燃焼が安定しているのが特徴です。
一方で、沸点が高い(約±0度)ために外気温が低い環境では気化しづらくなるため、寒冷地ではガスの気化が促進されず火力の低下を招きます。
さらに、ガスが気化する際には気化熱を吸収するため、連続使用すると気化熱の吸収によってガス缶自体の温度が低下し、ガスがさらに気化しづらくなり火力低下に至ります。
この火力低下する現象のことを「ドロップダウン現象」とも呼ばれます。
ヒートパネル付きの器具を使用する
ヒートパネルは金属製のパネル(プレート)で、ガス器具の燃焼熱をガス缶に戻すことで冷えたガス缶を温めて気化を促進させます。
カセットコンロやキャンプ用のガス器具には、もともと標準で備わっている場合もあれば…
出典:ツインバーナーUS-1900|ユニフレーム
オプション品として用意されている場合もあります。
使用している機器に「ヒートパネルがついてないなぁ…」という場合はオプション品となっている場合がありますので、ドロップダウン現象に困っている場合には一度オプション品を探してみると良いでしょう
ウォーマーやホッカイロでガス缶を温める
寒い環境では、ガス管の温度が低下することで気化が遅くなり火力が落ちます。
そこでガス缶ウォーマーやホッカイロを使用することでガス缶を温めて気化を促進し、安定した火力を保つことができます。
最近はモバイルバッテリーから給電してガス缶を温めることができるアイテムが登場しています。
ホッカイロはまだ良いとして、電気から熱に変換して温めるようなアイテムでは、ガス缶メーカーも想定していない使用方法になるため、加熱のし過ぎによる破損(爆発)が起きないよう注意が必要ですね。
寒冷地用のガス缶を使用する
前述の通りカセットガスの主成分であるブタンガス(nブタン)の沸点は約±0度のため、気温が低下すると気化しづらくなって火力が低下します。
そこで、寒冷地用のガス缶として、イソブタン(沸点が約-12℃)やプロパン(沸点が-42度)のガスを混合した寒冷地用のガス缶が販売されています。
イソブタンやプロパンは寒冷地でも安定して燃料できるため、寒冷地でガス器具を使う場合は積極的に寒冷地用のガス缶を使うのがオススメです。
なお、寒冷地用のガス缶を使う際は、必ずヒートパネル等がある機器で使うようにしましょう(=゚ω゚)ノ
寒冷地用のガス缶に含まれるイソブタンやプロパンは低量なのでそれらを使い切ってしまうと、残りは「nブタン」という普通のカセットガスに成り下がってしまいます( ;∀;)
まずイソブタンやプロパンで着火して、その熱を使ってブタンガスの気化を促進するためのガスなので、単体では使いづらいのと繰り返しの使用に弱いことは気を付けておくべきポイントです。
ガス缶を水に漬ける
ここまでにご紹介した方法は、機器やガスそのものを変えるモノでしたが、普通のカセットガスを低温下でも連続使用下でもそこそこ火力を確保するやり方をご紹介します。
といっても難しいことは無く、ガス缶を水やお湯に漬けるだけです。
2リッターのペットボトルを下半分で輪切りして水やぬるま湯を入れておき、そこにカセットガスを挿し込むと簡単に作って使うことができます(=゚ω゚)ノ
いつもは長時間使い続けるとガス缶が冷えっ冷えになって火力が乏しくなりますが、この方法だと最後まできれいに使い切ることができます♪
ガス缶が分離できるガス器具なら超オススメの方法で、寒くても連続運転してもそこそこ安定した燃焼が得られます。
ガス缶の周りがゼロ度超となることで、ガス缶の冷えよりも周囲のほうが温かい環境を強制的に作り出しています。この方法で、厳冬期の那須でもスノピのバーナーは安定して燃焼してくれています(着火時はぬるま湯を使う)。
この使い方もまたガス器具メーカーやガス缶会社の使い方とは逸れますので、使用中は目を離さないように&使用後はガス缶についた水分をよく拭き取るよう注意して使っています。
まとめ
キャンプ用のカセットガスの火力低下を防ぐ方法をご紹介しました。
これらの方法を実践することで、寒い環境でも安定した火力を維持し、美味しいキャンプ料理を楽しむことができます。
ぜひ、次回のキャンプで試してみてください。