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「報われない」を価値に変える翻訳者。『SHIFT解剖』に学ぶ運用部門や本社部門の管理者像

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コーヒーを片手に読み終えました。

『SHIFT解剖 究極の人的資本経営』

ソフトウェアテストの国内最大手、株式会社SHIFTの急成長の裏側を記した本になっています。
読み進めるうちに、かつての自分の歩みや今の自分に課せられた役割が重なり、メモの手が止まりませんでした(^▽^;)
この本を通じて考えた「仕事の価値」と「人を活かすこと」についてまとめておこうと思います。

 

 

「当たり前」を守る仕事の孤独

これまでのキャリアを振り返ると、主に「運用」という華やかな事業の主役「ではない」領域を歩んできました(^▽^;)
運用は、いわば平時が当たり前の世界で、システムが止まらず業務が滞りなく流れる。
そんな何も起きないことが最大の成果とされる現場です。

ところが現実は残酷なもので、システムが止まると激しく責めたてられる一方で、100点満点で当たり前の仕事にはなかなか(というか全く)称賛の光が当たりません(;´・ω・)
多くのメンバーが「自分たちの仕事は報われない」と感じて疲弊し離職したり、より負荷の低い職へ移っていく姿を間近で見てきました。

このままでは、後に続く者がいなくなる

その後、そんなセクションの責任者になった際に1つのアクションを始めました。
運用部門がいかに事業活動の根底を支えているか、そのためにメンバーがどんな緻密な働きをしているのかを、経営役や執行役に説明して回ることでした。
目に見えない運用の価値を、経営の言葉(つまりカネ)に翻訳し、機会があるごとに伝えて回る、最初は聞く耳も持ってもらえない孤独な挑戦でしたが、組織を守るためには不可欠な広報活動だったと今では確信しています。

SHIFTが証明した「1,200時間」の重み

この本の中でスゴイなぁと思ったのは、SHIFTの経営陣が年間で延べ1,200時間もの時間を費やして行う「評価会議」のエピソードでした。
一見、非常に非効率に思えるこの時間は「人的資本経営」の核心を突いていると思えます。
SHIFTという会社は、かつて単なる作業と見なされていたテストやデバッグを「品質保証(QA)」という戦略的な価値に引き上げました。
そのためには、現場一人ひとりの貢献を経営が徹底的に把握し、「正当な証人」になる必要があります。
ただでさえ忙しいSHIFTの経営役が膨大な時間をかけて一人ひとりと向き合うのは、社員の納得感こそが成長のエンジンであると考えているがこそのことだと記されています。
僕がかつて足繁く経営陣のもとへ通ったのも「メンバーの努力を正しく評価」してほしかったからのことだったなぁと思うと、この本を読んで答え合わせができたような気がしました。

次なる「翻訳」への挑戦

現在は事業部門を離れて組織全体に対する本社部門へと身を置いています。
ここでもまた、光が当たりにくい場所で黙々と活動する人たちがおり、同様に報われない思いを抱えている人たちがいます(;´・ω・)
メンバー一人ひとりのスキルの解像度を高め、それをどう経営の成果に結びつけるか。単なる「コスト」としての管理部門ではなく、事業を加速させるための資本としてのセクションになれるよう、メンバー個々の良さを引き出し、経営に還流していく仕組みを作っていきたいと思います。