間もなく令和3年度の電気工事士試験の受験申し込みが始まります。
僕は運よく1回の試験で合格できましたが、試験のためにイロイロと購入した道具たちを振り返ってみます。
第二種電気工事士試験の概要
第二種電気工事士の試験は一次の筆記試験と、二次の技能試験に分かれて行われます。
筆記試験に通過するために必要なこと
筆記試験は、試験時間120分間で50問の択一式で出題され、合格基準は60%以上の正答率が求められます。また、一度筆記試験に合格すると、その回の技能試験に不合格だったとしても、次回の筆記試験が免除されるため、受験するからには筆記試験だけでも合格しておくと後が楽になります。
技能試験に通過する(=合格する)ために必要なこと
技能試験は、配線図で示された課題を40分間で組み立てる実技試験です。事前に13問の候補問題が試験センターから公表されており、試験当日はその中の1問が出題されます。合格基準は『欠陥がないこと』とされています。
欠陥については試験センターから案内が出ていますので、試験前に一度目を通しておくのも良いかと思います(僕は読みませんでしたが…)。
欠陥の判断基準等について | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
筆記試験対策
筆記試験の勉強方針
過去問は試験センターのホームページで公開されています。
試験の問題と解答 | ECEE 一般財団法人電気技術者試験センター
5年ほどの過去問を遡ったところでは、一問一答の出題が30問、配線図から20問が出題されており、この傾向は今後も変わらないと判断して試験対策を練ります。
さらに各回の問題と解答を見比べると、単純暗記で回答できそうなのが30~35題、計算問題が5~10題、配線図を理解している必要があるのが10題くらいに分類できます。
つまり、筆記試験に関しては、単純暗記だけで合格できる試験構造だと分かります。
もっとも、実技試験では配線も理解している必要がありますので、暗記を主体として配線図を保険で勉強しておくことで確実な突破が期待できます。←本職の工事士を目指す場合は絶対ダメな勉強方法です(^▽^;)
筆記試験対策では基本書を購入
知識勝負になる試験なので、基本書となるテキストとして『ぜんぶ絵で見て覚える第2種電気工事士 筆記試験 すい~っと合格』を購入しました。書店にこれしかなかったので他に選択肢がなかったというのもありますが、記号や要点がまとまっている「丸暗記ノート」が非常に便利でした。
丸暗記ノートの内容をざっくり記憶し(計算は全捨て)、本書の中の必須問題を解いて間違った問題を覚え直すという作業を2周し、過去問3年分(上期下期で計6回分)を解いて完成です。
技能試験対策
技能試験は分析無用。ステップ踏んで作れるようになろう!
技能試験に関しては、上記の通り13問の候補問題から1問が出題されます。
過去に受験した方の合格体験記などでは、出題される問題にある程度ヤマを張れたようですが、最近は県単位で異なる問題が出題されているようなので、ヤマを張ることができなくなっているようです。
このため、13問の候補問題は一通り作ることができるようになる必要があります。
まずは工具と配線セットを買っておく
試験当日は工具が必須になるので、早めに買っておくのが正解です。技能試験近くになると欠品とか値段が上がっていたりするので、どうせ買うものですからモノがあるうちに買っておかないと後で焦るのは時間のムダというものです。
時間のムダといえば、工具セットのアレとコレは持ってるから…と足らないものだけ揃えようとするのもムダを生む原因です。ただでさえ高額な受験料(9,600円)で、工具に1万円以上も出せないよ!と思いがちですが、これまた本職はともかくとして素人受験生は素直に工具セットを買っておくほうが結果として余計な時間を費やさずに済みます。
実際に試験を受けてみて個人的におススメできるのは、ホーザンの『DK-28』という基本工具 にVVFストリッパー(P-958)がセットになったものです。
工具に加えて、後々13問の候補問題を一通り作成するために、電線と器具のセットを買っておきます。こちらも試験前になると欠品したり値上がりしたりしますので、遅くとも筆記試験の結果が出たら(=技能試験の受験が確定したら)早々に注文しておきましょう。
これは要らなかったな…というモノたち
最終的には上記の工具と材料セット(1回分)だけでも合格できるようになります。
とはいえ、初めての分野の試験ということもあり、このほかいくつかのアイテムも買い増ししましたが、最終的には使わずに終わったモノもあります。
これは後ほど・・・。
技能試験はまず動画視聴!
道具を買ったらいざ実践!
ではありません。普段、電気の配線工事に馴染みのない生活をしているので、いきなり候補問題を作れる訳がありません。そんな僕たちの強い味方はYoutubeです( *´艸`)
検索ワード:「ホーザン 技能試験 ノーカット版」
この動画をながら見で良いので繰り返し見ました。
どの動画も1本(候補問題1問)あたり50分程度の動画なので、ちょっとした合間にダラダラ流しっぱなしにしているだけでも十分だと思います(実際、1周目は何言っているのか分からな過ぎて映像観なかった)。
とはいえ、最初は複線図も書けない状態でしたが、2周目で複線図は自然と書けるようになり、3周目では自分でも配線作れるんじゃね?と錯覚するまでになりましたので、この動画スゴイです。
動画の次は複線図の練習
ホーザンの動画はスゴイもので、繰り返し見ているだけで技能試験余裕じゃね?と思うようになってしまいます。その結果、さっそく材料セットを切り刻んで練習を始めたい!と思ってしまいますが、その気持ちはちょっと置いておいて全13問の複線図を手書きで起こせるようにしておきます。
頭に残っているホーザンの動画をトレースしながら複線図を起こそうとしても、最初の1~2周はうまく書けない引っ掛かりがどこかに出てきます。その引っかかった場所を動画を見直して取り除いていくと、1問あたり3分程度で複線図が起こせるようになります。
仕上げに材料セットで配線作業
複線図も起こせるようになったら、いよいよ材料セットを使って全13問を作っていきます。繰り返し動画を見ていたことで、ホーザンのお姉さんが説明している通りに頭の中ではやるべきことは見えているのに手が付いてこないという状態で、想像していた以上に完成まで時間がかかりました。
複線図抜きで、候補問題1が45分かかったときには焦りましたが、候補問題2は40分くらい、候補問題3以降は30分くらいで完成するようになりましたので、工具の扱いの慣れが大きかったと思います。全13問を作り終わったところで、約20分から25分で完成できるようになりました。
一通り候補問題を組み立てられるようになれば、取り外した電線を使ってミスしがちな作業を反復練習しておきます。僕の場合、のの字曲げ・ランプレセクタクルへの結線・露出コンセントへの結線をひたすら繰り返しました。
試験当日は落ち着いて受験する
IT系の試験はいつもギリギリかちょい遅刻で受験しに行きます(待ち時間がもったいなく感じる)が、電気工事士は専門外な試験なので筆記試験も技能試験も集合時間の30分前には会場入りしておきました。
試験直前にジタバタして変な知識を入れることはせず、自分をゆっくりと会場の雰囲気に溶け込ませたことで、変な緊張もせずリラックスして受験できたかな?と思います。
一番緊張したのは、筆記試験後の自己採点だったように思います(←正答率62%、超ギリギリで丸つけする手が震えた(^▽^;)
以上、これから電気工事士試験を受験する方の参考に少しでもなれば幸いです(*´ω`*)