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キャンピングトレーラーの電気事情を考えてみる

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先日キャンピングトレーラーの超ざっくりした紹介記事を書いた際に、タチコマン (id:otoyan191)さんからこんなコメントをいただきました。

もう少し書き足して欲しいのは電装系ですね
多分電源付きサイトでの利用が前提なんでしょうけれど
サブバッテリーとか発電機とか
プロパンのこととか
そして、PHEVと組合せると最強とか
・・・

電装系かぁ…と考えたときに、キャンピングトレーラーでは特段変わったサブバッテリーシステムを聞かないことに気づきました。

 

 

キャンピングカーの電気事情

キャンピングカーでは室内での電気供給(照明とか冷蔵庫とか水道ポンプ)のためにサブバッテリーと呼ばれるバッテリーを積むのが一般的です。

バッテリーは『溜めておいた電気を取り出す』ものなので、空っぽになってしまうと充電するまではただの重たい箱になってしまいます。
そのため、バッテリーを何本も積んだり(重くなる)、リチウムバッテリーを積むようにしたり(バッテリー容量比で軽くなる)、急速充電機能を搭載したり(早く充電できる…そのままだな)することで、空っぽになることを回避する道が模索されています。

たとえばキャンピングカーの老舗中の老舗バンテックでは(数年前の記事で今もなのか自信がありませんが)鉛バッテリーを3本積むトリプルサブバッテリーが選ばれているようです。

VANTECHの電装システム サブバッテリーシステム – キャンピングカーのバンテック【インフォメーションブログ】

鉛バッテリーの技術自体は枯れたものなので、積載と重量が許容できれば最も安価かつ簡単に組むことができます。

また、ここ10年くらいで業界トップクラスに躍り出てきたナッツRVというビルダーではリチウムイオンバッテリー化&昇圧充電(急速充電)を備えたハイバーエボリューションNEOというシステムが設けられているようです。

ハイパーエボリューションNEO|日本最大級キャンピングカー製造メーカーナッツRV

バンテックよりも1本多い4本のサブバッテリーを搭載しますが、リチウムバッテリー(リン酸鉄リチウムイオンバッテリー)とすることで軽量化(鉛バッテリー2本分くらい)を実現し、しかも昇圧充電機能によって空っぽの状態から約4時間で4本のバッテリーを満タンにできる急速充電機能も搭載されているようです。
文字に起こしてみるとスゴイですが、今からの技術(枯れてない技術)だけにシステム代も高額になりそうな気がします(=゚ω゚)ノ

ではキャンピングトレーラーの電気事情は?

キャンピングカーとキャンピングトレーラーとでは『エンジンなどの機関を持つか持たないか』という点が大きく異なります。

キャンピングカーはエンジンをかけている間はオルタネーターで発電しているので、エンジン始動用のバッテリーへの充電や室内使用分の余剰電力をサブバッテリーへの充電に回せます。

一方のキャンピングトレーラーは前記事でも書いた通り『台車の上に箱を乗っけただけ』なので自分で電気を作り出すことができず、あの手この手で電気を得る必要があります。
肝になるのは「箱」という部分で、バッテリーシステムも自分で好きに考えて組むことができます(実際には購入時に販売店にやってもらうことが多いと思います)。

基本のサブバッテリーを積もう

電気を溜めておく基本はサブバッテリーなので、一般的には充放電に強いディープサイクルバッテリーを積むことになると思います*1
バッテリーを何本搭載するかは、キャンピングトレーラーでどのように旅行するか?室内・室外で電気をどれくらい使うか?などによって変わるので、販売店の方とよく相談すると良いと思います。

うちはムーバー(トレーラーのラジコン)を使うので2本、100V給電受けられる場所ばかりなので容量少なめ(90Ah)と必要最低限の装備です。

SUPER NATTO(超納豆)・・・?
聞きなれないバッテリーだなぁと思われるかもしれませんが、以前に搭載していたキャンピングカー用バッテリーが爆発してしまったので急場で購入したのもです。

購入当時はキャンピングカー推奨バッテリーよりもかなり安くて(約半額)不安でしたが、3年ほど使った中では特に不満も感じていませんので結果的に良かったかなぁと思っています。

サブバッテリーを積んだら給電方法を考えよう

走行充電は必要に応じて

何しろキャンピングトレーラーは箱なので(←シツコイ)、キャンピングカーのように移動中に充電(走行充電)させるにもちょっとした工夫が必要です。

一般的なのはヘッド車のバッテリーからトレーラーまで電線を延ばして電気を送る12V送電で、もっとも簡単(=安上がり)にできます。
ただし、そのままトレーラーのサブバッテリーに繋いでも充電できない*2ので、サブバッテリーの手前に昇圧回路を設ける必要があります。

もう1つの方法として、ヘッド車側で作り出した100Vをトレーラーの外部給電回路に割り込ませることで走行充電とすることもできます。
ヘッド車側でそれなりに出力の得られるインバーターが必要になるのと、外部給電回路へ割り込ませるときのリレーが必要になるので、12V送電に比べると少しだけコスト高になる傾向があります。

アクセサリーコンセントだと給電量が不足する可能性大

コスト高とはなりますが、この方法は移動中にトレーラーのサブバッテリーを充電できるだけでなく、トレーラー内の冷蔵庫も効率的に冷やすことができますので、ヘッド車にハイブリッド車を使っている場合にはこちらの方法がオススメです。

ソーラーパネルがあれば孤立しても安心?

ソーラーパネルによる太陽光発電はキャンピングカーでも採用されている方がいますが、キャンピングトレーラーでももちろん採用できます。

出典:https://www.vantech.co.jp/kyoto/

ソーラーパネルがあれば、晴れてさえいれば外部給電できない場所でも日中にサブバッテリーがジワジワと充電されるようです。
と伝聞型に書いているのは、うちはトレーラーの保管場所に屋根があって発電しないので設置していないんですよね(^▽^;)

あれば安心♪発電機

ソーラーは晴れているときだけ、では雨や曇りのときは?というと発電機がオススメです。1500Wクラスの発電機が数万円で購入できるので、費用対効果はバツグンです。

もっとも、発電機は音の発生に伴う騒音問題で使える場所が狭まってきているので、これまたどんな場所で使うのか?に応じて選べる/選べないが出てくると思います。

最強なのはPHEVをヘッド車にすることかな?

イロイロと書いてきましたが、結論から言うとPHEV(PHV)をヘッド車にするのが今のところ最強の組合せだと思っています(´艸`*)

アウトランダーPHEVなら100V1500Wインバーターが搭載されていますので、しっかり走行充電してくれますし、なにより移動中にトレーラーの冷蔵庫も効率的に冷やせます(´艸`*)


寝苦しい真夏のSA・PA泊でも、アウトランダーPHEVの100V給電があればエアコン全開でトレーラー内はキンキンに冷えますし・・・
f:id:moyashinet:20210820220332j:plain

なによりアウトランダーPHEVに搭載されている12kWのリチウムイオンバッテリー(駆動用バッテリー)を蓄電池として使うことができるので、目的地到着前にチャージモードで充電しておくことで発電機を回すのが憚られるようなシチュエーションでも安心して大容量の電気を使うことができてしまいます(´艸`*)f:id:moyashinet:20210821224501j:plain
▲アウトランダーPHEVの駆動バッテリー
チャージモード(ガソリン焚いて発電する)にしないでも、最近は充電スポットがたくさんできたので、それを利用するという手もあります(´艸`*)

▲200V普通充電だと約3時間で満充電、急速充電なら20分で約7割が充電されます♪

アウトランダーPHEV+キャンピングトレーラーの組合せって、このVehicle to Home(V2H)を地で行く考え方ですね(´艸`*)



次世代のキャンピングトレーラーも期待大!

そのようなわけでキャンピングトレーラーの電気事情は先時代的(必要なだけバッテリーを積もう!)な感が否めないですが、海外では次世代のキャンピングトレーラーの構想も始まっています。

2018年頃だったか、Dethleffsからe.home cocoの構想が発表されました。
一般的にEVやPHEVでトレーラーをけん引する場合、けん引無し状態と比較して燃費(電費)が著しく悪化します。
これはキャンピングトレーラーが優勢な欧州では致命的な話で、今後EV化が進んでいくと目的地にたどり着けない問題などが浮上するため、そのソリューションとして開発が進められているようです。

出典:Dethleffs e.home coco

トレーラーのタイヤ(だったかな?)にモーターを、トレーラー内に80kWhのバッテリー、ルーフにはソーラーパネルを装備しています。
これによって1トン近いトレーラーをけん引する場合でも、バッテリーからモーターを回すことで、EV側からすると100キロ程度のトレーラーを引っ張っているように負荷を軽減する=EVの巡行距離を縮めないような設計となっています。
また、キャンプ場などで少しだけ場所を移動するといった場合でも、スマホのアプリを使って移動させることができるようです。

記事からは実用化されたのかが読み取れなかったのですが・・・
2022年頭にキャンピングトレーラーの雄ともいえるエアストリームから『e-stream』というコンセプトモデルが発表されました。
eStream Concept Travel Trailer by Airstream
出典:https://www.airstream.com/air-lab/concepts/estream/

"独立したモーターと大容量リチウムイオンバッテリーによるスマートな全電気式シャーシにより、EVの牽引範囲と燃費が向上する"ってe.home cocoっぽいなぁと思って資料を取り寄せてみたら、まさにそれをベースに作られていました(^▽^;)

この動画がすごく参考になるというか分かりやすいです。

www.youtube.com

 

まとめ

キャンピングトレーラーの電気事情としては、100Vフックアップできる場所で使うか、またはサブバッテリーに頼るところが大きいのが現状です。
また、PHEV車でけん引することによって両者を両立できますが、どれをけん引車とするかは各家庭の都合もあるのでマッチすれば幸いという程度です。

ヨーロッパ圏が先行している脱炭素化によって、キャンピングカー・キャンピングトレーラーのEV対応が進んでいますので、その将来を楽しみに待つ、今はそんなときなのかなぁと思います(´艸`*)

 





*1:もちろんリチウムを積んでもok

*2:走行中のヘッド車のバッテリーはオルタネーターによる発電で14V近い電圧がかかっているが、トレーラーへの配線が長くなる関係で電圧が下がってしまう