ここの記事では、これからパソコンを買おうと思うけどどれを買えばいいのかな~?という初心者向けに、利用用途に合った選び方について書います。パソコンは利用用途によって必要な性能や機能が異なります。
僕の仕事では、自社の営業さん向けにパソコンの研修もしていたりします(ホント何でも屋です(; ・`д・´)。
この研修は、本業の通信屋さんから外れた領域なので、売りたい目線ではなく実際に使う人の目線で説明しますので、そのエッセンスを交えながら解説していきたいと思います。
なお、あくまでもWindowsを前提に書いています(Mac派の人ごめんなさい
- パソコン初心者にオススメのスペック
- パソコン選びで初心者が気をつけるその他の機能・スペック
- 利用用途別パソコンのオススメスペック
- 安いパソコンと高いパソコンの違いとは?
- 番外編:法人モデルを個人で使うのは要注意
- まとめ
パソコン初心者にオススメのスペック
パソコンを選ぶには、利用用途に応じて「CPU」「メモリ」「ストレージ」という3つの観点でスペックを満たすものを選びます。
CPUのスペック
CPUは主に計算処理を担い、パソコン全体の処理性能に影響します。
車にたとえるとエンジンにあたる部位になります。
最近は友人同士のコミュニケーションでもZoomやGoogle meetを使うようになりましたが、それなりにマシンパワーを食います。
小さめのCPU(エンジン)でもやれないことはありませんが、パソコンの安定性(安全運転)のためにはそれなりに余裕を持っておきたいものです。
利用用途 | 必要なスペック |
オンラインゲーム 凝った動画編集(10分以上) Web会議(顔出し+背景ぼかす) |
Intel Core i7以上 |
動画編集(数分程度) Web会議(顔出し有) |
Intel Core i5以上 |
動画視聴 Web会議(顔出し無) |
Intel Core i5 |
書類作成 Web閲覧 |
Intel Core i3 |
CPUには世代もありますが、初心者ではあまり考える必要はないと思います。
もちろん新しければ新しいほど性能は良いのですが、それよりもCore i7かi5かを考えるほうが大きな差になります。
メモリのスペック
メモリは、パソコンが処理をするためのデーターを一時的に記憶させる領域です。
車でたとえると座席にあたる部位になります。
利用用途 | 必要なスペック |
オンラインゲーム 凝った動画編集(10分以上) Web会議(顔出し+背景ぼかす) |
16GB以上 |
動画編集(数分程度) Web会議(顔出し有) |
8GB以上 |
動画視聴 Web会議(顔出し無) |
8GB |
書類作成 Web閲覧 |
4GB |
Windows 11の最小スペックが4GBではありますが、4GBだとWindowsが最低限動く程度に捉えておいたほうが良いです。
最近はよっぽど低価格を訴求したパソコンでない限り、8GB以上が搭載されているはずです。
ストレージのスペック
ストレージ(HDDやSSD)はデーターを保存する領域です。
車でたとえると荷室にあたる部位になります。
ストレージで考慮すべきは、HDD(ハードディスク)にするかSSD(エスエスディー)にするかの違いです。
結論から言うと、初心者にはSSDを選んでおけば間違いありません。
SSDとは?
SSDはSSD(ソリッドステートドライブ)の略で、いわゆるメモリーチップにデーターを書き込み・読み出しします。
メモリーチップのためランダムアクセス性(目的のデーターを瞬時に取り出せる)に優れることから動作が極めて速く、また最近は超小型化が進んでいます(パソコン本体を小さくできる)。
一方で、メモリーチップを使うため、後述のHDDと比較して容量あたりの単価は高くなる点がデメリットになります。
HDDとは?
HDDはHard Disk Drive(ハード・ディスク・ドライブ)の略で、内部で回転する円盤にデーターを保存し、磁気ヘッドでデーターを書き込み・読み出しする装置です。1台あたりのデーター容量が大きく、かつ容量あたりの単価を安く製造することができるメリットがあります。
一方でデーターの読み出しに時間がかかること、衝撃に弱く故障リスクが高いことがデメリットになります。
ストレージの容量は250GB以上がオススメ
SSDのパソコンも容量(○○GBって部分)はさまざまあります。
最近はクラウドにデーターを保管するケースも多いですが、初心者がパソコンを選ぶ際は「SSDで250GB以上の容量」があるパソコンを選んでおくのが良いです。
パソコン選びで初心者が気をつけるその他の機能・スペック
外部ディスプレイとの接続
デスクトップの場合はディスプレイが必須ですし、ノートパソコンでも外部ディスプレイに接続して使用するケースもあり得ます。
パソコンとディスプレイは映像ケーブルで接続しますが、お互いに合ったものである必要があります。
たとえばパソコンの映像出力がUSB-C、HDMIで、手持ちのディスプレイがRGB、DVIの場合、変換ケーブルを購入するかディスプレイ
このとき、パソコンが映像出力できる接続口(インターフェース)とディスプレイが受信できるインターフェースが共通である必要があります。
利用用途別パソコンのオススメスペック
オンラインゲームや動画編集、Web会議に使う場合
パソコンでオンラインゲームをしたり動画編集を行う場合、またはWeb会議で背景を加工して顔出しするような場合、パソコンには高い処理性能が求められます。下表はあくまでも一般的なスペックですが、よりグラフィックの綺麗なゲームだっり、テロップや効果音入れまくりの動画を作る際にはより高性能なパソコンが必要になります。
CPU | Intel Core i7(第10世代以降) |
メモリ | 16GB以上 |
ストレージ | SSD 500GB以上 |
書類作成にWeb閲覧やYouTube、稀に動画を作ったりWeb会議する場合
オンラインゲームや動画編集をしない場合には、次のようなスペックのパソコンがオススメです。
このスペックなら一般的なパソコンの寿命と言われる5~6年を見越しても安心して使うことができます。
CPU | Intel Core i5(第10世代以降) |
メモリ | 8GB以上 |
ストレージ | SSD 250GB以上 |
とにかく安く!今使えれば良いという場合
パソコンは動きさえすれば良い!という考え方もまたあります。
そのような場合は、次のようなスペックのパソコンを選びましょう。
CPU | Intel Core i3またはCeleron |
メモリ | 4GB |
ストレージ | SSD 120GB以上 |
1年とか1年半程度であればそれなりには使えると思います。
安いパソコンと高いパソコンの違いとは?
パソコン初心者がスペックを元にパソコンを探すと、しばしば同じスペックなのにどうしてこうも値段が違うの!?というケースに行き当たりますので、この違いも説明しておきます。
同じスペックなら安い方がいい?
仕事では何社ものベンダーやサプライヤーとも付き合いがあるので、その経験で結論から言うと「安いパソコンには安いパソコンなりの理由がある」に尽きます。
たとえば、前述のCPUとメモリ、ストレージの3点の部品でも、メモリとストレージはサプライヤーによって値段の差が大きいです。
そしてこの値段の差は性能や耐久寿命の差に由来しています。
つまり、同じメモリ8GBでも、遅いメモリもあれば早いメモリもある。
同じ128GBのSSDでも、読み出し速度は変わらないけど書き込み速度に雲泥の差がある。さらに寿命も結構短い(故障率の観点なので、実際には安くても長持ちする部品もあります)。
こういった差が価格に反映されています。
どのメーカーのどの型番は地雷…とかありますが、初心者がそれを選んで避けることは難しい(販売ページには書かれていない)ので、同じスペックなのに極端に安いパソコンは避けるのが無難です。
海外メーカーより国内メーカーの方が良い?
同スペックで比較すると、一般的に海外メーカーより国内メーカーのパソコンのほうが割高です。なぜなら、国内メーカーのパソコンは、日本人の品質許容度に応じた品質の部品を使用し、手厚いアフターサービス体制を整えているためです。なので、パソコンそんなに得意じゃないな~、初心者だな~という方は、迷わず国内メーカーを選ぶことをオススメします。
海外メーカーと仕事しているとホント合理性の塊だな…と思います。
・日本人向けに設計?作ルパソコンノ数%シカ日本人買ワナイノニソンナコトデキルカヨ!開発費イクラカカッテルト思ッテンノ?
・早く壊れる?コノ値段ンデ売ッテルンダカラ十分安イヨ!
・出張修理???イツドコデ壊レルカワカラナインダカラ壊レテカラ送ッテモラエバイイヨ!日本ノ物流優秀ネ!
特に1番目の理由が大きくて、いまやパソコンは台数が吐けるエリアで受け入れられる仕様に特化して作られ、そのうちの一部が日本に入ってきているという構造が強いです(そんなこと言うと日本人に買ってもらえなくなるので、どの海外メーカーも日本向けの構成とか開発とか製造とか言ってますが、その実は…)。
番外編:法人モデルを個人で使うのは要注意
スペックとはあまり関係ありませんが、時期になると大量の法人向けパソコンが格安で市場に流れてきます。多くの場合、受注を見越して作ったはいいが思ったほど注文が入らなかった、大口受注がキャンセルになったといった理由なので、国内メーカーで希望するスペックのものがあれば買いです。
ただ1つだけ、法人向けモデルは「PCリサイクルマーク」がついていないことが多いです。資源有効利用促進法によって2003年10月以降に発売された家庭用パソコンには添付されていますが、法人がパソコンを処分する場合はPCリサイクルマークがあろうが無かろうが産業廃棄物として処理する必要があるため、ついていない場合が大多数となっています。PCリサイクルマークの無いパソコンは廃棄時にお金がかかる(パソコンの本体は3,000円程度)という点だけ注意が必要です。
まとめ
実際にパソコンの部品や構成に関わり、営業向けに買い手の気持ちを伝えている視点で、初心者向けのパソコンの選び方について紹介しました。
パソコンってどれも同じようなことが書いてあってイマイチどれを選べばいいのか分からない!となりがちですが、今回の記事がお役に立てば幸いです。
パソコンは一度購入すると数年は買い替えませんので、実際に使用するケースの性能を満たさないパソコンを買うと、そのストレスがあとあとまで続いてしまい精神衛生上良くありません。
快適な生活のためにも、ニーズに合ったパソコンをしっかりと選ぶようにしましょう!