キャンピングカーの中で電気を使うには、車載バッテリーとは異なる、繰り返しの充放電に強いバッテリーを必要とします。
このバッテリーのことを一般的にサブバッテリーと呼びます。
最近の日本は「おかしいんじゃないか?」と思うくらい夏の暑さが異常で、昼も夜もエアコンが欠かせないと感じています。アウトランダーPHEV+キャンピングトレーラーの組合せで遊んでいたときは、アウトランダーPHEVの駆動用バッテリーが12kWh蓄電池(実質はその8割の10kWh程度)となるため、車中泊時にも電源環境を気にせずエアコンを稼働させることができていました。
トレーラーを降りてしまい、さらにPHEVのキャンピングカーが存在しない今、快適なキャンピングカー生活のための電源環境(サブバッテリーシステム)はどうしたらいいのか?とぼんやり考えています。
(振り返り)キャンピングトレーラーのサブバッテリーは12Vでした
これまで乗っていたキャンピングトレーラーでは、12Vのサブバッテリーシステムを採用していました。
これは、トレーラーをラジコン的に動かすムーバーの関係です。ムーバー自体が12V対応だったこと、作動時に生じる電流が非常に大きかったため、12Vで100Ah程度の鉛サブバッテリーを2本、並列に接続して使用していました。
12Vの電装品をただ使うだけであれば、24V以上のシステムにDC-DCコンバーター(デコデコ)と呼ばれる機械で降圧すれば動かすことはできます。問題は電流でして、100A超の電流を継続的に流すことができるデコデコを見つけられなかったため、12Vのまま使っていました。
12Vシステムのメリット・デメリット
なんといってもシンプル、これに尽きます。
特に普通の自動車は12V車両なので、サブバッテリーシステムも12Vで組むと電圧の差を考える必要がありません。キャンピングカーで使われるカムロードも12V車らしいので、同じく12Vでシステムを組むのは楽そうです。また、現行のトヨタのマイクロバス、コースターも電装関係は12Vとなっているようです。
そのため、鉛のサブバッテリーはもとより、リチウムサブバッテリーも12Vモデルが潤沢に流通しています。
一方で12Vでシステムを組むと、24V以上と比較して負荷に対する電流が大きくなります。同様に、急速に充電する場合も大きな電流を流すことになります。
電流が大きくなると、その電気が通るケーブルが大きく(太く)する必要があります。
その結果、ケーブルの取り回しが難しくなったり(太いケーブルは曲げるのが大変)、ケーブルの総重量の増加、コスト高(需給の関係もあって太いケーブルは価格が高い)につながります。
24Vシステムのメリット・デメリット
12Vのバッテリーを2台直列に接続して運用するのが24Vサブバッテリーシステムです(鉛バッテリーの場合)。
トラックなどが24Vの電装品を使用するケースが多いため、12Vほどではありませんが24Vの電装品も多数存在します。
また、12Vの電装品を使用するときは、DC-DCコンバーターで12Vに降圧して使用します。
24Vシステムでは、12Vと比較して負荷に対する電流が小さくなります。
たとえば360Wを必要とする電装品を使用する場合、12V機器は3Aの電流に対し、24V機器は1.5Aとなります。このため、同じ負荷の機器を使用する場合でも、12Vよりも細いケーブルを使用できる利点があります。
一方で、12Vの電装品と比較して24Vの電装品は数が少ないのはデメリットになります。キャンピングカーやトレーラー内で使用する負荷が12Vの機器ばかりの場合、そのメリットを活かしきるのが難しい点があります。
このため、個人的には24Vシステムに関しては、充電の観点でのメリットの追求になるかな?と考えています。
12Vと同じ電流で充電する場合はより細いケーブルを使用することができたり、または12Vよりも大きい電流で充電できる=急速充電が可能になります。特にソーラーパネルを用いて充電できる環境の場合、24Vシステムのほうがかなり効率が良いと感じています。
同様の理由で、36Vシステムを充電に関して高効率で運用することが可能になると思います。36V対応の電装品はなかなか存在しないため、電装関係は12V・24V機器を使うのが一般的になるでしょうか。
48Vシステムのメリット・デメリット
48Vは家庭用の蓄電池を考えるうえでも1つのキーフレーズになっており、それをそのまま車載しても良いのではないか?と考えているところです。
たとえば100Ahのバッテリー1本とっても、48V×100Ah=4.8kWhの蓄電池となるポテンシャルがあります。
もちろん主流になることなく消えていく可能性も否定できませんが、蓄電池側の思想でもあるのでそう簡単に消えることはないと個人的に48V推しです。
48Vシステムはリチウムバッテリーを選択します(さすがに鉛バッテリーで48Vとかやってられません)。
価格のこなれている産業用太陽光パネルをそのまま使うことができ、充電回路の配線は細くて良い、100V交流(=コンセント)への変換効率もかなり優れているので、車内で使う電装は100V化を主軸として、サブに12Vをデコデコで変換すれば、かなり効率の良いサブバッテリーシステムになりそうです。
なお、48V化にあたり注意が必要なのは、上記の12V・24Vの環境は個人で自由に組むことができますが、48Vシステムの構築にあたっては資格が必要です。
電気工事士は2~3週間の勉強で取得できますし、資格が不要な12Vや24Vの工作をする上でも知っておいて損はない知識ばかりでした。僕は仕事で電気の知識が必要だから勉強するついでに取得しましたが、有資格者となったことで仕事の幅がめちゃくちゃ広がりました。
かなりコスパ・タイパの良い資格なのでオススメです( *´艸`)
まとめ
資格なしで気軽に構築するなら24Vリチウムサブバッテリーシステムを、資格があるなら48Vリチウムサブバッテリーシステムを組んでいくのが良さそうだと感じています。
もちろん、キャンピングカービルダーがどこまで用意してくれるかにも依存しますし、既に車両に装備されている電装品やソーラーとの兼ね合いもあります。
キャンピングカーは動く家でもあるため、それらをうまく活用しながら、自分の生活に合ったサブバッテリーシステムを作っていきたいものです(´艸`*)